万年山 | ||
地質的にも珍しいダブルメサを形成するミヤマキリシマの群生地がある山 | ||
日 | 2023年5月16日 | |
山 | 万年山(1,139.9m) | |
行程 | 吉武台牧場駐車場(10:19)・・・獣除け柵(10:40)・・・避難小屋(10:52)・・・山頂、林道コース分岐(10:55)・・・ミヤマキリシマ群生地(お花畑)(11:41-51)・・・鼻繰分かれ(12:12)・・・万年山(13:12-24)・・・避難小屋(13:38)・・・吉武台牧場駐車場(14:05) | |
山行記 | ●万年山と書いて「はねやま」と読める人は少ないだろう。この山は、柔らかい部分が浸食されテーブル状に固い部分が残った「メサ」と呼ばれる地形で、しかもそれが二重にある「ダブルメサ」という珍しい山だという。 ●それだけでも興味が湧いてくるが、この山は何箇所かの大規模なミヤマキリシマ群生地をもつ山としても有名だ。実際、今回の九州遠征で気になっていた山だが、今回は日本百低山の宝満山を優先した経緯がある。 ●ところが、少しは観られるだろうと思っていた久住中岳でミヤマキリシマがほとんど咲いていなかったことと、道の駅で、標高の低いこの山ではミヤマキリシマが四分咲きだという情報を得たことから、宝満山の後にこの山へ行ってみることにした。 ●とはいっても、地図も用意しておらず、下調べもしていないこの山は、登山口までの行き方すらわからないので、もう一度道の駅に寄って情報を集めてから向かうことにした。 ●万年山の登山口は二箇所あるが、最低でも山頂は踏みたいと思い、より山頂に近い吉武台牧場から登ることにした。道の駅では道が狭いので気を付けるよう言われたが、今回も、既に国見岳で嫌になる程「酷道」を通っているので大したことは無かった。 ●登山口の駐車場にはトイレもあり、この時間なので、これから歩き始める人や、既に戻って帰っていく人たちで賑わっていた。こちらも支度を済ますと、車止めの先に続く舗装道を歩いていく。 ●クマノミズキやヤマフジなどが咲く道沿いにはミヤマキリシマもぽつぽつと咲いていた。少し登っていくと、道は牧場内に入り、その先で獣除けの柵の出入口を開け閉めして進んでいくが、青空の下、広々とした牧草地を歩くのは気持ちがいい。 ●さらに進むとミヤマキリシマ群生地が見えてくる。四分咲きという情報どおり、満開までにはもう少し時間がかかりそうだ。それでも、青空とその先に見える独特の形をした万年山や、遠くのくじゅう連山を背景としていい感じだ。 ●ミヤマキリシマ群生地へは少し道を外れるようなので、寄っていくとしても後にすることにして先に進む。すぐに、また獣除けの柵が現れるのでその出入口を開け閉めすると避難小屋のある休憩所に着く。 ●道はその先で山頂へ直接登るコースと林道で花繰わかれまで行き、そこから山頂を周回するコースに分岐する。ここは、案内板のコース概略図のとおり、周回するコースを選んで林道を進む。 ●ところが、林道なので平坦な道が続くと思っていたのだが、下り坂が多く、結局はその分登り返さなければならないので心配になってくるが、逆に歩いたとしてもこれを登るのは大変だろうと思いながら歩いていく。 ●やがて、「はなばたけ」と書かれた案内が現れるが、最初は何のことかわからずに通過してしまったものの、少し先にも同じ案内があり、これはミヤマキリシマ群生地への案内だと気付きそちらへ進むことにしたが、少し余分に歩くことになってしまった。 ●ミヤマキリシマ群生地に着くが、やはり四分咲きの情報のとおりまだ早いようだった。それでも久住よりは標高の低い分よく咲いており、咲き始めから満開の株まであり、全体的にはあと1から2週間ぐらいで満開になりそうな感じだった。 ●もっとも、この山の開山祭が次週に行われるということなので納得だ。そこで発見したのは、花の色が薄ピンク色から赤いものなど色々な色の株があるということで、それはそれでいい感じだ。 ●ミヤマキリシマ群生地を楽しんだ後、林道まで戻って先へと進む。林道を歩き始めると、意外に早く鼻繰分かれに着く。鼻繰分かれには駐車場がありトイレも設置されている。 ●鼻繰分かれからは万年山を目指して急な階段の道を登る。それでも、急な道は長くは続かず、尾根に出てから少し登っていくと道は平坦になり、後は庭園のように整備された快適な稜線歩きが続く。 ●この稜線にもミヤマキリシマがあるが、下のミヤマキリシマ群生地よりは開花が遅れていた。鼻繰分かれから約3kmということだったが、あっという間に万年山山頂に到着してしまった。 ●万年山山頂には一等三角点があり、展望のいい場所のようだが、霞んでいたのと、山の名前がわからないのとで、確認できる山はくじゅう連山や由布岳ぐらいだった。それでも広々として気持ちがいいので少し休憩をして下山にかかった。 ●下山は直接避難小屋まで下り、そこからは来た道を戻った。下山後、遅い昼食を摂り、温泉で汗を流した後、高速道路に乗り、途中で車中泊をして約1000kmの道程を自宅まで走り切った。結局、豊川へは翌日の午前中には戻ることができた。 ●今回の九州遠征も、天候に恵まれ、予定していた3山に加えもう1山登ることができた。これで、都道府県最高峰は完登、日本百低山は96座目まで登ることができ、加えて食事や温泉など、充実した旅となった。 |
吉武台牧場駐車場 | 万年山登山口 | 牧場入口 |
ミヤマキリシマ群生地 | 山頂、林道コース分岐 | |
最大のミヤマキリシマ群生地 | 鼻繰わかれ | |
鼻繰わかれの万年山登山口 | 整備された稜線道 | 一等三角点のある万年山山頂 |
万年山山頂から見るくじゅう連山 | 避難小屋のある休憩所 | ミヤマキリシマ群生地の背後にくじゅう連山 |
牧草地の向こうに遠く由布岳が観える | 万年山を振り返る | ホオジロ |
ミヤマキリシマ | ||
ウマノアシガタ(キンポウゲ) | クマノミズキ | |
ニガナ | ムラサキサギゴケ | |
キランソウ(ジゴクノカマノフタ) | ヘビイチゴ | ヒメハギ |
カマツカ | ジシバリ | |
コクサギ | ムラサキケマン | |
ツクシドウダン | ヤマツツジ | |
ツクバネウツギ | ナツグミ |