国見岳 | ||
正月の車も登山も難路を越えて四年越しに日本屈指の秘境の山の頂を踏む | ||
日 | 2023年5月14日 | |
山 | 国見岳(1,738.8m) | |
行程 | 平家山登山口駐車場(5:41)・・・平家山登山口(5:59)・・・伐採地(6:45)・・・京丈山分岐(7:28)・・・平家山(7:29-32)・・・後平家山(7:51-8:00)・・・広河原分岐(8:40)・・・広河原×分岐(9:10)・・・川辺川源流分岐(9:38)・・・国見岳(9:44-10:00)・・・広河原×分岐(10:34)・・・広河原分岐(11:09)・・・後平家山(11:56)・・・平家山(12:14)・・・京丈山分岐(12:17)・・・平家山登山口(13:40)・・・平家山登山口駐車場(13:57) | |
山行記 | ●熊本県最高峰の国見岳は、4年前に登山口まで行ったことがあるのだが、登山道のコンディション不良のため、登頂を見合わせた経緯がある。その後、新型コロナウイルス感染症の行動制限により長く行くことができなかった。 ●そして、行動制限も無くなった今年、再び挑戦しようと考えたのだが、最短コースの登山口までの道が道路崩落により現在通行止め、次に近い登山口までの道も、問い合わせたところ危険なため通行を控えるように言われたところだ。 ●その次に近いコースの登山口までは、悪路だが通行することができそうで、それを選択するしかないようだ。しかし、そこからのコースタイムは往復9時間近くかかるということだが、いろいろ考えた挙句、覚悟を決めて決行することにした。 ●豊川は、前々日の仕事が終わってから出発し、途中で車中泊し、翌日一日かけて現地まで行き、現地で車中泊した後登る予定だ。これまでは、九州でも、夜掛けで現地まで行き、その後登るという行程だったが、それと比べ今回は余裕があっていい感じだ。 ●天気予報は、登山日は晴れるということなのだが、前日の雨は明け方まで残り、登山口までの道やコースの渡渉など、不安は募るばかりだが、とりあえず、登山口まで行ってみてから決めることにして、まだ暗いうちに車中泊した場所を出発した。 ●登山口までは途中まで国道で行くのだが、道は舗装されているものの、狭くカーブやアップダウンの多い「酷道」で、先が思いやられる。国道から外れるとさらに道は悪くなり、深い轍や雨後なので落石、垂れ下がった枝が多い予想通りの悪路が続いた。 ●それでもなんとか駐車地点まで行くことができたのだが、日曜日というのに早朝過ぎるためか、一台の車も停まっていない。とりあえず車を停めると、支度をして歩き始める。 ●道はその林道の延長のような道を歩くのだが、道の真ん中に大きな石が落ちていたりで、とても車が通行できる道ではない。その林道を少し歩いていくと、「平家山登山口」の案内があるので、それに従い沢へ下り、飛び石で渡渉して登山道に取り付く。 ●登山道はハイノキや白いスミレの仲間が咲いている急な山腹をジグザグに登っていく。やがて尾根筋に出るがさらに登ると、立ち枯れなのか伐採地なのか枯れた木々が立ち並ぶ地帯に出る。そこからは、青空や周囲の山々を見渡すことができた。 ●最初切り倒されていた樹々も上部へ行くに従い立ち枯れのまま放置されており、独特の景観が広がっていた。その中に付けられた道は、急な上に雨後で滑りやすくなっているので、登りは何とかなるが下りが心配だ。 ●傾斜が少し緩んできて京丈山分岐が現れると、程無く三角点はあるが樹林に囲まれ展望の無い平家山山頂に到着する。とりあえず最初のピークを踏んだことに安堵するが、行程的にはまだ半分も来ていない。 ●平家山からは緩やかな道に代わるが、平坦で道が幾通りもあるので、よりはっきりした道を進むが、度々ロストしては修正するの繰り返しだ。それでも用意してきた地形図とGPSで確認しながらなので大きく外れることは無かった。 ●次の後平家山だが、山腹を通り過ぎそうだったので、強引に緩やかなピークを目指して登っていくと、思ったとおり後平家山山頂に着くことができた。後平家山山頂も明るいが展望は無かった。 ●後平家山山頂からも、始めはテープを頼りに先へ進むが、これまでと同じようにロストと修正の繰り返しが続く。道沿いではミツバツツジのショッキングピンクが一際目を引き、シャクナゲもあるが、こちらは終わりかけといった感じだった。 ●しばらく平坦な道を地形図とGPSで細目に確認しながら進むと、広河原からの道と合流する。その先にも広河原への分岐があったが、崩落のため手前の分岐を利用するように案内がされていた。 ●以降、平坦な道が少し続き、新緑が始まったばかりの大らかな尾根歩きが気持ちいい。足下ではヤマシャクヤクやバイケイソウの花芽が育っていた。道はしだいに傾斜を増してきて、よく咲くシャクナゲが中を登っていく。 ●シャクナゲの中から周囲の開けた場所に出ると、川辺川源流への分岐が現れ、それを見送りさらに登っていくと国見岳山頂に到着する。実に4年間お預けにしていた山頂をついに踏むことができたた感慨はひとしおだ。 ●これまでガイドブックなどで何度も観てきた山頂の社は残念ながら壊れてしまったようで、屋根が横に置かれていたのは少し寂しい気がした。それでも、360度周囲の山々を見渡すことができ、始まったばかりの山肌の新緑もいい感じだ。 ●山頂では、同じく都道府県最高峰完登を目指している方とお会いして、その話で盛り上がった。念願の末踏むことのできた山頂で何時までも感慨に浸っていたいところだが、帰りも時間がかかる山なので何時までもこうしているわけにはいかない。 ●重い腰を上げて下山にかかる。下山は来た道を戻ったが。結局、一番先にこの山を登り始めたのだが、往きにも帰りにも次々と外の登山者に追い抜かれ、登山口まで戻ったときには、外の車は一台も停まっていなかった。 |
平家山登山道入口 | 平家山登山口 | 渡渉も数箇所ある |
倒木地帯からは展望が広がる | 平家山山頂 | ソウシチョウ |
後平家山山頂 | 広河原分岐 | 川辺川源流分岐 |
ようやく山頂が見えてくる | やっと踏むことができた国見岳山頂 | 国見岳山頂からの展望 |
国見岳山頂直下はまるで庭園のよう | 倒木地帯の枯れ木 | 平家山登山道入口の駐車場まで戻ってきた |
シャクナゲ | ムシカリ(オオカメノキ) | |
クマノミズキ | ガマズミ | マルバウツギ |
ミヤマコスミレ | ヤマフジ | ミツバツツジ |
クルマムグラ | ヤマシャクヤクの蕾 | あと少しで咲くフタリシズカ |
キランソウ(ジゴクノカマノフタ) | ジシバリ | ヘビイチゴ |