TOP年別山行記録2013年>栂海新道

栂海新道
北アルプスが日本海へ突き出した親不知海岸へ続く遥かな縦走路
2013年8月22日〜24日
朝日岳(2,418.0m)、イブリ山(1,791m)、黒岩山(1,623.6m)、サワガニ山(1,612.3m)、犬ヶ岳(1,592.5m)、黄蓮山(1,291m)、菊岩山(1,209.8m)、下駒ヶ岳(1,241m)、白鳥山(1,286.9m)、尻高山(677.4m)、入道山(416m)
行程 22日 親不知天険口駐車場━━北又小屋(5:30)・・・1合目(6:04)・・・2合目(6:28)・・・3合目(6:49)・・・4合目(7:19)・・・5合目(7:38)・・・6合目(8:01)・・・7合目(8:26)・・・8合目(8:55)・・・9合目(9:10)・・・イブリ山(9:29-43)・・・朝日小屋(11:55)(泊)
23日 朝日小屋(5:40)・・・朝日岳(6:49)・・・吹上げのコル(7:17)・・・黒岩山(10:55)・・・サワガニ山(12:29)・・・北又の水場(13:21)・・・北又の水場分岐(13:32)・・・犬ヶ岳(14:16)・・・栂海山荘(14:24)(泊)
24日 栂海山荘(5:59)・・・黄蓮山(6:59)・・・黄蓮の水(7:24)・・・菊石山(7:39)・・・下駒ヶ岳(8:21-33)・・・白鳥山(9:40-53)・・・シキワリ(11:02)・・・金時坂の頭(11:14)・・・坂田峠(11:52)・・・尻高山(12:34)・・・舗装道(13:04)・・・二本松峠(13:19)・・・入道山(13:47)・・・工事中の林道(14:43)・・・栂海新道登山口(14:49)・・・日本海(15:06)・・・親不知天険口駐車場(15:17)
山行記 北アルプスの稜線は、朝日岳を境に徐々に高度を下げ、日本海に突き出したところが親不知だ。以前白馬岳から朝日岳を回るコースは2度歩いているので、今回は朝日岳から親不知まで繋ぐコースを歩いてみることにした。21日に仕事から帰るとすぐに豊川を出発し、親不知天険口の駐車場で仮眠した。
一日目
●早朝4時30分に予約した黒東タクシーに乗り北又小屋まで行く。1人でタクシー代12,500円の負担はきついが、1,000円の補助が出るらしく、代金から引いてくれた。北又小屋を6時ぐらいに出るつもりだったが、タクシーが時間前に来て、小屋にも意外に早く着いたので5時半には出発ができ有難かった。
●小屋から階段を下り、舗装道を歩き、再び階段を下りると北又ダムが見えてくるので、またまた階段を下り、吊橋を渡ると登山道が始まる。この間案内は何もないので少し不安になるが、地図とは合っているのでとにかく進んでみる。最初は樹林帯の中のジグザグの急登で大変だが、約20分毎にイブリ山までの合目と標高の標識があり励みになる。立派なブナの多い樹林の下には、エゾアジサイやホツツジなどが目立つ。
●9合目を過ぎ、急登も一段落すると10合目のイブリ山山頂に着く。イブリ山山頂から少し行くと木道が現れる。少し下り、平坦な道を行き、また急坂を登ると夕日ヶ丘と呼ばれるお花畑に出る。ニッコウキスゲやコバイケイソウ、チングルマなどが咲き、朝日平も近いのではないかと勘違いしてしまうが、朝日平は小朝日岳の山腹を登った先だ。
●朝降っていた雨もいつしか止み、この日の行程中はずっと曇りだったが、夕日ヶ丘の辺りから晴れ間も見えだした。朝日小屋に到着した頃には青空になり、朝日岳や遠く白馬岳、日本海まで見ることができた。朝日小屋は、平日ということもあり、この日の宿泊客は3人だけだった。
二日目
●前日の青空から一転して朝から雨、5時の朝食を済ませると雨具を身に付け朝日岳を目指す。朝日岳の登りの途中で雷も鳴り始めた。樹木の陰で雷雲の様子をうかがっていると、雷も一旦治まったので再び登り始めた。雨は相変わらずで、ガスも濃いので朝日岳の山頂はそこそこにして先を急ぐ。
●朝日岳の下りで再び雷が鳴り始めたので、身を低くして急いで下り、吹上のコルでしばらく様子を見ることにした。雷が鳴り続けたが少し治まったのでまた歩き出すことにした。吹上のコルからは、樹林帯が続くというイメージだったが、実際は湿原が多く、豊富な植物と景観を楽しみながらの歩きとなるはずなのだが、雷と雨でそれどころではなく、沢のように水の流れる登山道を、雷鳴の合間を縫って夢中で歩くだけだった。
●黒岩平で少し水を補給しようとしたがどこが水場かわからず、沢の水も濁っているので諦め、登り返すと中俣方面への分岐を分け、すぐに黒岩山の山頂に出る。開けた山頂は雷の絶好のターゲットになるので、そこそこにして下り始める。その後幾つかのほぼ同じ高さのピークを越えるとサワガニ山。黒岩山からは背丈ほどの樹木が多く、雷の脅威は少ないが、山頂は開けていて危険なので写真を撮るとすぐに下るという繰り返しだ。
●サワガニ山を下りると幾つかのアップダウンを繰り返し、北又の水場への分岐に出る。ここで水を補給しなければ、今晩の炊事もできないので、水場方面へ下る。ここも道というより水路で、強い雨の中ここまで歩いてきて濡れに濡れた靴なのでもう構わず水の中を歩く。黒岩平のように濁っていたらという不安があったが、水場の水は濁っていなかったのでその水を汲んで縦走路へ戻った。
●ここから犬ヶ岳とその肩にある栂海山荘はすぐ近く、急な犬ヶ岳への登りを頑張った。ここまで来ても雷雨は衰える様子もなく、翌日の天気も心配だ。
●栂海山荘に着くと、前日朝日岳でテント泊した人が先に到着していた。すぐに濡れた雨具を物干ロープに掛け、夕食と翌日の朝食の準備をし、備え付けの毛布を借りて翌日に備えて横になった。結局雷雨は、一晩中続き、朝になっても雨は上がらなかった。
三日目
●出発前まで降っていた雨は、出発時には止んでいたが、どうなるかわからないので、雨具を付けて出発する。犬ヶ岳からは、かなり下り、アップダウンの後、この日最初のピークである黄蓮山へ到着する。そこから一旦大きく下り、登り返すと菊石山、またまた下り、崩壊の激しい急な登りを登りきると下駒ヶ岳だ。犬ヶ岳以降、白鳥山までは急な登下降が続くので、ペースの配分に気を付けなければならない。天気は徐々に回復し、下駒ヶ岳まで来ると晴れてきたので雨具を脱ぐことにした。
●下駒ヶ岳からも心配になるほど下り、幾つかの偽ピークに騙されながらも急登を登りきると、立派な小屋の建つ白鳥山山頂だ。山頂からは、親不知付近の海岸を見ることができたが、まだまだ遠い感じだ。
●白鳥山からは、赤土の滑りやすい下りが続く。おまけに雨で濡れた石も木の根も滑りやすくなっているので慎重に下る。幾つか沢を渡り歩いていくとシキ割の水場に着く。
●シキ割の水場から少し登り返すと金時坂の頭に着くが、ここから坂田峠まで、ひたすら急な坂を下ることになる。どこまで下るんだろうと心配になるほど下ると、突然舗装道路に飛び出すが、そこが坂田峠だ。坂田峠まではタクシーが入るので、ここでエスケープすることもできるが、まだ12時前なので、残りの3時間40分頑張ることにして再び山道に入る。
●標高が低くなってきたので風も生温く、日差しも暑いが、美しいブナの森や時折見られるナツエビネに励まされながら緩やかなアップダウンをひたすら歩く。
●大した登りも無く尻高山に着くと、大きく下り、再び舗装道路に出る。舗装道路からも下りは続き、少し登って下りたところが二本松峠、そこから入道岳への登りに取り付く。入道岳から同じぐらいの標高のピークを二つ上り下りし、一気に日本海へと下り始める。
●途中2本の送電線鉄塔の横を通り過ぎると、造成中の林道に出る。ここまで来れば国道は真下に見ることができ、急な坂を転げるように下れば親不知天険口に到着だ。
●せっかくなので日本海まで行こうと駐車場の奥から急な階段を下り、海岸を目指す。ここまで長い距離を歩いてきて、この急坂をまた戻って来なければならないと考えると複雑な気持ちだが、とにかく行ってみようと下っていくと親不知の海岸に立つことができた。
●これで、親不知から北アルプス主脈は南岳まで、常念山脈は大滝山まで繋がったことになる。親不知海岸で海に手を付けた後、来た道を戻り、親不知観光ホテルの風呂で3日間の汗を流した後帰途に就くことにした。

登山口となる北又小屋 吊橋を渡って登山道へ ブナ平と呼ばれる5合目
10合目となるイブリ山山頂の広場 夕日ヶ丘を経て小朝日岳の山腹を巻く 朝日平と朝日岳、朝日小屋
朝日平から見る白馬岳と旭岳 夕日に染まる朝日平のお花畑 朝日小屋から見た夕日
雷雨の中の朝日岳山頂 日本海への分岐となる吹上のコル 大雨で川になった登山道
雪渓とお花畑も楽しんでいる場合ではない 黒岩岳山頂 サワガニ山頂と犬ヶ岳
北又の水場 犬ヶ岳山頂 犬ヶ岳山頂一角に建つ栂海山荘
地味で通り過ぎてしまいそうな黄蓮山山頂 黄蓮山から振り返る犬ヶ岳と栂海山荘 美しい菊石山付近のブナ林
菊石山山頂 崩壊の激しい急登を登りきると下駒ヶ岳山頂 白鳥山山頂と白鳥小屋
白鳥山から見る日本海 雨で水量が増したシキワリの水場 金時坂の頭から坂田峠まで急な下りが続く
舗装道路が横切る坂田峠 下界の暑さが戻ってくる尻無山山頂 二本松峠
入道山山頂まで来ればあと少しで日本海 やっと戻ってきた親不知天険口 お約束で親不知海岸へ
チングルマ ミヤマキンポウゲ シモツケソウ
タカネマツムシソウ ニッコウキスゲ カライトソウ
ハクサンコザクラ イワショウブ ウメバチソウ
イワオトギリ ミヤマリンドウ ミヤマトリカブト
コバイケイソウ ミヤマダイモンジソウ ミヤマホツツジ
エゾシオガマ オタカラコウ タテヤマアザミ
クロバナヒキオコシ コメツツジ ミヤマアキノキリンソウ
ハクサンシャジン イワイチョウ モミジカラマツ
サラシナショウマ キンコウカ オヤマリンドウ
ズダヤクシュ タマガワホトトギス オニシオガマ
タテヤマウツボグサ バイケイソウ ヤマハハコ
ウサギギク シナノキンバイ ヨツバシオガマ
ハクサンボウフウ ミヤマキンバイ クモマニガナ
シロバナハナニガナ ミヤマコゴメグサ ミヤマママコナとその白花
ヒオウギアヤメ ジャコウソウ ナツエビネ
ツルリンドウ ノリウツギ エゾアジサイ
クロクモソウ リョウブ カニコウモリ
オクモミジハグマ オニシモツケ ハナチタケザシ
ミヤマシシウド ツルアリドオシ

TOP年別山行記録2013年>栂海新道